江戸しぐさ
1 武士がその支えとして守ろうとしたのが、武士道。
では、庶民たちには、そうした心の支えとして守
ろうとしたものはなかったのでしょうか……。
2 実はあります。
○○道
○○の中には何が入るでしょう。
数名指名。
3 実は、「商人道」と言いました。
4 商人道は、「江戸しぐさ」「繁盛しぐさ」「商人
しぐさ」とも呼ばれました。
5 つまり、庶民のしぐさについて、昔から伝わってきた
ものなのです。
6 今日は、その「江戸しぐさ」についていくつかを学ぶ
ことにします。
7 実は、「江戸しぐさ」の根本として、絶対にやっては
いけないと言われていることが、二つありました。
どんなこととどんなことでしょう。
数名指名。
8 その二つとは、
・威張ること
・稚児戻り(子どもっぽいしぐさ)
9 では、実際のしぐさ(行動)についてどのようなことを
江戸の人たちが守ってきたのかを考えてみましょう。
10 「傘かしげ」
傘を持った二人が狭い路地で行き交うときにはどうして
いたのか?実際傘を持って子どもにやってもらう。
11 「肩引き」
狭い路地で二人が行き交うときには、お互いに肩を引いて
行き交った。
12 「うかつあやまり」
例えば、足を踏まれたとき、謝るのはどっちか?
江戸しぐさでは、踏まれた方も謝る。
13 集会所など人がたくさん集まる場所では、履き物を玄関の
土間に置くときにルールがあった。どのようなルールであっ
たのか?
「履き物は遠くから」先に来た者が遠くから靴をおいていく。
男性は遠くに、女性は上がり口に近いところにおいても良
かった。
14 江戸しぐさで絶対に相手に入っていけないこととは何か?
「でも」「だって」「しかし」という言い訳。
体型や年齢についても、×。
また、ある年齢になったら「挨拶+世辞」がいえなければ
いけないとされた。
例えば、「おはようございます」(挨拶)+「今日はずい
ぶんあたたかいですね」(世辞)
15 そんな、日本人を外国の人たちはどう思っていたのでしょ
うか。
16 エドウインアーノルド
「日本には、礼節によって生活を楽しいものにするという普
遍的な社会契約がある」渡辺京二『逝きし世の面影』(葦書房)
17 エンゲルベルト・ケンペル
「世界中のいかなる国民でも礼儀という点では日本人にまさる
ものはない」
18 ペリー
「日本人ほど丁寧に礼儀正しく振る舞う国民はいない」