あっと驚く縄文土器の授業
社会科縄文時代の学習における発問で次のものがある。
世界で一番早くスープを飲んだ人は、次のどこの国の人でしょう。
@ 日本 A 中国 B ヨーロッパの国々 有田和正『有田式調べ方を鍛えるワーク』(明治図書) |
私も同じように問う。
@が答えだと確認した後、土器について説明をする。
そして問う。
では、縄文時代に使われていた土器はどのような形をしていたでしょうか。ノートに絵をかいて下さい。書けたら先生に見せに来て下さい。 |
次々に見せにくる子どもたち。
私は、どんどん黒板に板書させる。
24個の土器が黒板に揃う。
大まかに言うと、「底のあるもの」と「底のとがったもの」(尖底)に分 かれる。
尖底土器をかいたのは、Sさんただ一人。
これは、どうもおかしいというものありませんか |
子どもは次々に挙手し、「底のとがったものは違う」と意見を言う。
こんなの地面に置けないから使いづらい、というのだ。
Sさんは、反論ができないでいる。
教師は次のように言う。
『証拠を探しなさい』
子どもは次々に事典、資料集、教科書をめくる。
「エ〜!」「おっ!」「うん!?」とあちこちから声があがる。
資料集にはしっかり「底のとがったもの」が写真でのっているのである。
「Sさんのあってるんだね〜」
『そうです。この頃はいろいろな形の土器が使われていましたが、Sさんのかい
た《底の尖ったもの》も間違いなくあったのです』
子どもたちは、Sさんにほほ笑みかける。
さあ、さっき《みんなが使いづらい》といったこの土器の使い方を次 に考えてもらおう。ノートに絵でかいてごらん |
絵をもってこさせ、黒板に書かせる。
尖底土器の使い方を確認して授業を終える。