漢字習得9割を目指す指導システム

○第1段階 空書き・指書き
 ほぼ100パーセント、この段階で漢字を覚えさせる。
 これが漢字指導、最大の要点である。

  教師、黒板に新出漢字を書く。
  読み方を確認する。(音訓)
  熟語の例を扱う。
  そして空書きをさせる。
  はじめは、教師も黒板の字をなぞる。
  それにあわせて空書きさせる。
  ※「イチ、ニ、サン」と唱えさせる。
  ※はねる、折れる画は「イーチ」「ニーイ」「サーン」等のように伸ばして言わせる。
  ※空に書くときは、肘を動かし大きく書かせる。

  この空書きを、次のようなパターンで数回させる。

  「天井に書いてみよう」
  「隣の人の手に書く」
  「先生のおなかに書く」
  「鼻で書こう」
  「体を鉛筆にして描こう(頭の上で手を合わせる)」
  「金魚に向かって書く」
  「机の上に書く」
  「声がそろっていないのでもう一度」
  「窓側の人に間違っている人がいるのでもう一度」

  この段階で、一人でも間違っていたら次に進まないと言うことが重要である。 
  次に最終確認を下のような方法でする。

 「目をつぶって、先生の方に書く」
 「隣の人と空書きテストしよう。二人とも書けたら、座ろう」

○第2段階 なぞり書き
  ドリル・スキルなどのなぞり書きの部分を活用する。
  この時に次のように指示する。

  お手本から、ちょっともはみ出させないこと

  これで、集中度が高まる。

○第3段階 写し書き(漢字を何も書いていないマスに書かせる)
  ドリル・スキルなどを活用する。
  今度は「お手本とそっくりそのままに」と指示する。この指示が集中度を高める。
 
○第4段階 確認
  写し書きの漢字を必ず持ってこさせる。
  必ず一人二人間違って書いている子どもがいる。
  それを見つけてあげるのだ。
  見つけたら、次のように指示する。
 『もう一度、その下か横に正しく書いていらっしゃい』
 
○第5段階 テストの予告
  10問程度の漢字テストを予告する。
ノートに次のように書かせる。

@ ただしい  正しい
A むし    虫
B まち    町

 すべて視写させたら、一度持ってこさせてチェックする。
 そして宿題を出す。
『うちに帰ったら、答の部分を隠して、自分で一度テストしてらっしゃい。○つけもするんで
 すよ。間違ったっていいから、きちんとテストをするんですよ』