1枚の絵で日清戦争を教える

1、1枚の絵の提示
 ビゴー作の風刺絵を提示する。
 (日本人と中国人がコリアと書かれた魚を釣ろうとしている。
  その向こうの橋の上にはロシア人が様子をうかがっている
  という絵である。但し、橋の上のロシア人は消してある。)

 誰と誰が何をしている絵でしょう。

 一人を指名する。
「日本人と中国人がつりをしている」
『大正解』

 ここに魚がいます。この魚には、「コリエ」と書いてあります。実は、ある国のことを表しています。どこの国でしょう。ノートに書きなさい。

 地図帳を見ても良いか、という質問が出る。褒めて許可する。
 たくさん出た。ロシア、アメリカ、イギリス、フィリピン、朝鮮……。
『正解は、Sさんだけ。朝鮮です』
 説明する。

 これはフランスのビゴーと言う人の描いた絵です。
 日本と中国(清)が朝鮮を奪い合った日清戦争について描いてあります。

 子ども「へえー」「そうか」などとつぶやく。

2、なぜ日本は朝鮮が欲しかったのか?

 では、なぜ日本は朝鮮がほしかったのでしょう。ノートに書きなさい。時間は3分間。

 全員起立させ、一人ずつ発表させる。
 もし、おなじ意見なら着席させる。
・日本は土地が狭いから、土地がほしい。
・朝鮮を通して、貿易をしたい。
・朝鮮を通していろいろな国に行ける(侵攻)。
・朝鮮には、たくさんのお金があった。
・領土を広げたかった。
・兵隊(人)がほしい。
・技術がほしかった。
・中国を攻めたかった。
『どれも素晴らしい考えです。でも決定的なのが出ていません』と言って、
資料を提示する。
(資料は当時ロシアの領土拡大を示した地図)
 この時期、ロシアが領土を拡大していったことを確認する。
『次にねらいそうなところは?』
「日本」「中国」
『その通り!』

 日本は、自分の国を当然守りたいのです。そのためには、まず朝鮮がしっかりしていなければなりません。
 日清戦争の大切なねらいの一つは、朝鮮を一人前の国にする、と言うことでした。

3、もう一人は誰だ?
 再度、ビゴーの絵を提示する。

 実は、この絵の中央橋の上から、どちらが朝鮮をつり上げるかな、と様子をうかがっている人がいます。何人でしょう。ノートに書きなさい。

 ロシア人、イギリス人、アメリカ人と書いた子がそれぞれいた。
『正解はこれです』と言って、きちんとしたビゴーの絵を見せて終わる。
 そこには、ロシア人が描かれている。

 橋の上には領土拡大をねらって朝鮮をつり上げようと様子をうかがっているロシア人が描かれています。