・反論ゲーム

 

【進め方】
一、まずは教師がやってみせる
『討論をするとき大切なことのひとつは、素早く鋭く反論するということです。
 今日はその練習のためにゲームをしようと思います』
 次に板書する。

 あ 「〜〜しましょう」
 い 「いやです。〜〜からです」

 そして、説明する。
『このゲームには、二つの役割の人がいます。「あ」の人は常に「〜〜しましょ
 う」 と提案をします。一方、「い」の人は常 に「いやです。それは〜〜だか
 らです」 と拒否します。例えばこんな具合にです』

 あ「外で遊びましょう」
 い「いやです。寒いからです」
 あ「体育館で手つなぎ鬼をしましょう」
 い「いやです。走ると疲れるからです」

 教師が一人二役で演じる。
 次に、実際のゲームのテンポ・リズムを感じさせるために、子ども一人と演じ
てみる。
 この場合、「あ」の「しましょう」役を子ども、「い」の「いやです」役を教師が演
じた方がスムーズに例示できる。
 途中で、児童が詰まったときに、教師がゆっくり「一,二,三」と数える。
 そして、『このように、言いよどんで三秒たったら負けです』とルールを補足す
る。
 ここで質問を受ける。

二、助走
 ここで、いきなりゲームに入らせると失敗する場合がある。
 全員を同じ土俵にのせ、ゲームを楽しませることが大切だ。
 そこで、次のように指示する。

 「〜〜しましょう」の文をできるだけたくさんノートに書きなさい

 これならできる。全員できる。
 次にグループにして、グループの中で一人一人発表させる。
 その時に、『これはいいという文があったら自分のノートに写しなさい。いいこと
を真似するのはとてもいいことです。』という。

三、いよいよゲーム
 まずは隣同士で対戦させる。
 じゃんけんをさせ、勝った子どもに好きな役割を選ばせる。
 次に、全員起立させ、『勝負がついたら2人とも着席しなさい』と指示する。
 その後は、勝った子ども同士を対戦させ
学級ナンバーワンを決定しても良い。

【発展形】
一、ファーマットを変えてみる

 あ「AとBならAの方がいいですよね」
 い「いいえ、Bの方がいいです。なぜなら〜〜だからです」

 これだと、実践的なテーマについて訓練できる(はず)。

二、ゲームの流れを変えてみる
 先に述べた例だと、「あ」と「い」の役割は常に固定的である。
 そうすると確かに簡単なのでゲームのテンポはいい。しかし、役割が固定的である
ので、子どもの思考が多角的にならないという面もある。
 そこで次のようにする。

あ「外で遊びましょう」
い「いやです。寒いからです。金魚を買いましょう」
あ「いやです。えさをやるのが面倒だからです。犬を飼いましょう」
い「いやです。えさ代がもったいないからです。……」