簡単手軽なゼリーづくり
1,ゼリーを実習で扱うときの問題点
ゼリー、ババロア、水ようかん、プリン、ムース、杏仁豆腐などのいわゆる寄せ物類を、
ゼラチンや寒天を使って、家庭科の実習で扱う場合には大きな問題がありました。
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◎固まるまでに時間がかかる。
◎冷やさなければ固まらない。
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このことによって、更に困ったことがおきます。
第一に、
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固めている間、子どもたちが空白状態になる
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ということです。
そして、第二に
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冷蔵庫のスペースが足りない
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ということです。
ゼリーは、手軽であって、おいしく、小学校のクラブや調理実習でも挑戦したいもので
すが、以上のような問題点があって、なかなか踏み切れません。
2,寒天とゼラチン
ここで、固化させるために一般的に使用される寒天とゼラチンについて書いておきます。
寒天は、元々海草のテングサから作られる物質です。固化する温度は、38℃〜40℃と
割合高めです。ですから、固化させる際に、それほど温度を下げなくてもいいわけです。
でも、寒天によって固めた場合、その食感は堅く歯触りが良くないのです。ですから、
杏仁豆腐や水ようかんなどには向いていますが、それ以外のお菓子には不向きです。
しかも、寒天は、水にしたしたり、ゴミを取ったり、煮とかすなどの下処理に十分な時
間が必要です。つまり、家庭科での調理実習には、向いていないわけです。
続いて、ゼラチンです。この物質は、豚などの動物のタンパク質(コラーゲン)から作
られています。ゼラチンは、固化したときの歯触りがよく、大変お菓子作りには向いてい
ます。しかし、固化する温度が13℃〜15℃と低く、あら熱を取り、かつ冷蔵庫で長時間冷
やさなければならず、調理実習には向いていないといえます。
3,強ーい味方
ここまで述べてきたように、寄せ物を家庭科の調理実習等で扱う際には、クリアしなけ
ればならない問題があります。
それは、
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常温かつ短時間で固化させるゲル化剤が必要だ
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ということです。
そのような商品が、実は販売されています。
その商品の名前は、
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パールアガー8
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です。
説明書によると、このゲル化剤は海草の紅藻類から抽出されたカラギナンを主体とした
物のようです。
そして、固化する温度は、45℃〜30℃でほぼ常温で固まります。ですから、熱湯によ
って材料を溶かし、混ぜたとしても、器を氷水につけるだけですぐに固化し始めます。しか
も、糖度が高ければ高いほど、高温で固まります。ですから、デザートにはもってこい です。
家庭科教育界ではうわさになりつつも、どこで手に入れて良いか、分からない人が多いよ
うです。それは、業務用であるため、扱っている小売店が少ないのが原因だと思われます。
もちろんここでは紹介いたします。
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〒133 東京都江戸川区西小岩1−26−7 (株)富士商事
電話 03(3657)6611 FAX03(3657)0019
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また、ほぼ同じような商品「イナアガーL」は以下の店で手に入ります。
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札幌市中央区北一条西一八丁目 アートサイドテラス1階
ケーキランドフジヤ 電話011−612−4067
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こちらでは、こんにゃく粉も扱っていますので、イナアガーLと併用してこんにゃくゼリーを作
ることもできます。是非お試しを。