酒井式描画鑑賞法の授業

・子どもたちの描いた「屋根の上の白い猫」の絵、14枚を鑑賞に使った。

1,準備
 休み時間のうちに、黒板のチョーク受けのところに、7枚の絵をズラーッと並べておく。
 絵の上に、A〜Gの記号を書いておく。
 子どもたちが集まってきて、すでにあれこれ絵について語り合っている。
 自分たちが、懸命に取り組んだ絵について語ることはたくさんあるようだ。

2,好きな絵を一つ選ぶ
 始業と同時にいきなり指示する。
 「全員起立」

 A〜Gの中から、自分が好きだなあという絵を一つ選びなさい。決まったら着席。

 30秒経っても、決まらない子が2人いた。
 そこで、次のように話す。

 上手な絵じゃなくて、自分の好きな絵でいいんだよ。

 すぐに、全員が座った。
 挙手による意見分布をとる。
 A 4人  B 1人  C 0人  D 4人  E 2人  F 0人  G 3人

2,いいところを見つける

 今選んだ絵のいいところを、3つ書いて持ってらっしゃい。書くときは、@ABと書いてき なさい。

 書けた子には、もっと探しなさいと指示する。
「たくさんいいところが書ける子は、賢い子だ」と付け加える。
 全員が持ってきたところで、書けた項目数の確認をする。
「3つ書けた人?」「4つ?」……
 11個が最高であった。

 では、指名なしで一つだけ発表してもらおう。どうぞ。

 子どもたちからは、猫の表情、空の色、猫の体の動きについてなどなどが出てきた。
 一通り、発表が終わったところで、次のように挑発する。

 ところで、CとFは、一人も好きだったという人がいなかったんだけど、これにはいいところが 、一つもないのか?

 これには子どもたち、猛然と反発。
「いっぱいあるよ!」と。
『それじゃあ、指名しないから発表してよ!』
 これも、全員が発表した。

3,今度は書いてみよう
 残っている7枚の絵を掲示している絵と貼り替える。
 そして、指示する。

 では、今度は絵の鑑賞文を書いてもらおう。
 今、みんなでやったことを今度は作文にしてもらう。
 私は、○○さんの絵が好きです。理由はいくつあります。一つ目は、二つ目は、という形式で  書いておいで。時間は、15分。

 こう指示して、七o方眼のFAX原紙を配布する。
 鑑賞文については、学級通信に全員分掲載。

4,授業後
 子どもたちが、私の周りに集まってきて、話す。
「先生これ気持ちいいわ」
「私のあんなに選んでくれると思わなかった」
「先生、絵描かないで、これずっとやろうよ」
『でも、絵が描けなかったら鑑賞はできないだろう』と言ってみんなで笑った。

5,出典・引用
 第二回、第三回酒井式描画指導法講座IN留萌で、酒井臣吾先生から直接酒井式鑑賞法については
教えていただいた。